池田 真浩(いけだ まさひろ)さん(2012年商卒)

母方の祖父が早稲田卒で、小さいころから「ワッセダー♪ ワッセダー♪」の節に親しんでいた私
(歌詞を見ないで 3 番まで歌えます)。漢字で「慶應」と書けないまま過ごした土佐高校時代に先
生からの後押しで進路変更。後の神宮球場での応援席は 1 塁側ではなく 3 塁側になり、すするの
は油そばではなく二郎になり、そして卒業後は高知稲門会ではなく土佐三田会に加えていただく
こととなりました。
(ちなみに、いまはちゃんと漢字で「慶應」書けます。早稲田に行っていたら書けなかったかも
…!?)
今回は野村あゆみさんから、「江戸時代から続く老舗『西川屋』さんの池田真浩さん」とバトンを頂
戴しました。土佐藩の御用菓子舗を務めていた和菓子屋の跡取りとして育った私は、「商売の勉
強を」というごく単純な理由で学部を選び、2008 年に慶應商学部に入学。組織の経済学と経営
戦略を扱う菊澤ゼミで学びました。
その一方で弁論部と英語會を掛け持ち。壇上から自分の考えをスピーチする競技弁論を専門に、
日本語と英語の両方で取り組むこととなりました。

2009 年 5 月 東京大学五月祭記念弁論大会にて

卒業後も競技弁論は続けていて、2019 年には文部科学大臣杯にファイナリストとして登壇し、優
秀賞を受賞しました。
最近は『芋けんぴ』の原型である土佐菓子『ケンピ』をもっと伝えていきたいと考えています。SNS
で「#ケンピ」で検索をかけることもあるのですが、芋けんぴの写真にこのタグが付いていると、
「それは『ケンピ』じゃないよ!もっと知ってもらわないと…!」という気になります。
また、「和菓子離れ」とも昨今よく言われます。若い人にはかしこまった感じがして、手を出しにく
いのだとか。そのイメージも変えてもっと気軽に楽しんでいただくことも、挑戦している課題です。
慶應で競技弁論に打ち込んだ日々は、『ケンピ』や和菓子をもっと伝えたいと思う今につながって
います。一昨年からはその一環として、毎月ラジオの提供番組で和菓子についてお話をさせてい
ただくようになっています。

第一木曜 15:10 頃~、RKC ラジオ「和菓子のはなし」 。聞いてください!

高知に戻る前は、菓子業界以外も経験して知見を広めようと不動産業界で 3 年ほど過ごした後、
虎屋さんに研修生として 2 年間受け入れていただきました。虎屋さんは言わずと知れた室町後期
から続く御所御用の老舗ですが、「羊羹を世界へ」と掲げ、和菓子の可能性を常に探求されてい
ます。伝統と新しさが矛盾せず生きる現場で製造・販売・広報と幅広く経験させていただき、いま
になっても時折「そうか、虎屋さんでああやっていたのは、このためだったのか」と気づかされる、
刺激に満ちた日々を過ごしました。
(ちなみに、虎屋さんのお菓子だと『夜の梅』と羊羹製生菓子がおすすめです。)
その次はアメリカ フロリダ州・ウォルトディズニーワールドで働く機会を得ました。テーマパーク内
で米国三越社が運営する日本食レストランに、文化交流プログラムとして 1 年間の期間採用で赴
任しました。
「日本人として日本食の提供を通じて日本文化を伝える」という役割でしたが、アメリカ人の日本
食への理解にちょっとびっくり。日本酒をビールにお猪口ごと叩き落として一気飲みしたり、お寿司
にはチリソースを付けると思っていたり、「炒飯ない?」とよく聞かれたり…。
世界有数のエンターテイメント施設の中で、人を楽しませることと、日本文化を正しく伝えることの
両立に向き合いました。

(ちなみに、1 年間ディズニーパークは入り放題だったので、行かれるご予定の方はご相談に乗れ
ますよ!)
そんなこんなで、慶應入学から 10 年経って地元に帰ってまいりましたが、帰るなり 1 年でコロナ
禍に突入。まだまだ全然出歩けていません!お呼びとあらばお菓子片手に馳せ参じますので、ぜ
ひお気軽にいろいろとお誘いいただけますと幸いです。
お次は、英語會の先輩・北原初枝さんにバトンをお繋ぎします。どうぞ、よろしくお願いいたしま
す!

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