齋藤 万里子(さいとう まりこ)さん(2020年文卒)

四国銀行でご活躍中の山中大地さんからバトンを引き継ぎました、日本銀行の齋藤万里子と申します。今回はこの様な貴重な機会を頂き、ありがとうございます。三田から離れた高知でも、こうして世代を越えて大先輩の皆様方と繋がることができ、三田会の絆の強さを実感しております。

 

私は東京都出身で、小中高は神奈川県にある森村学園に通っておりました。その名の通り緑豊かな自然林に囲まれた学園の中で、季節や天候によって表情を変える植物や動物と触れ合いながら、伸び伸びと青春時代を過ごしました。特に小学生時代は毎日森の中で泥んこになるまで遊び、ボロボロになった体操服をよく母に苦笑しながら縫ってもらった記憶があります笑。その後、中高ではテニス部に入部。小麦肌を通り越して真っ黒に日焼けするまで練習に打ち込みましたが、仲間と一緒なら多少の理不尽も何だって笑って乗り越えられました。

 

そんな恩師や友達に囲まれ、アットホームな学園生活を送っていた高校1年生の夏。小中高一貫校だったこともあり、「学園外の世界にも触れてみたい」との思いから参加したサマースクールで、人生の転機が訪れます。それがメンター役の大学生達との出会いでした。世界観や人脈の広さ、そして知的でウィットに富んだ会話…。「こんな20歳になりたい!」と憧れた先輩方は、面白いことに皆、慶應生でした。そこから自然と慶應を志望する様になり、2016年、無事文学部に進学しました(実は「より広い世界を見てみたい!」との思いから、一念発起して海外大学も同時並行で受験し合格を頂きましたが、兼ねてからの憧れが強かった慶應生となる道を選びました)。

 

念願のキャンパスライフ。大学では文学部教育学専攻として、松浦文学部長の通称「エグゼミ(エグい程大変なゼミ)」と呼ばれるゼミに所属し、比較教育学について研究していたほか、メディアコミュニケーション研究所にも在籍し、ジャーナリズム論のゼミも掛け持ちしていました。とは言え、いつも思い出される場面は教室ではなく、ゼミ後に教授も交えて皆で通った「つるの屋」なのは何故でしょうか笑。

 

サークルでは約500人規模のダンスサークル「Revolve」に所属し、新歓や三田祭に向けて皆で練習に励みました。日頃の練習への参加は任意で比較的自由度が高い一方、三田祭等の本番直前期間に一気に練習を詰め込むというスタイルだったため、ダンスサークル恒例の「深夜練」が続くこともしばしば。「ダンススタジオ代が安い上に、深夜なら『予定があって練習に参加できない』という言い訳は誰もできないだろう」という考え方について、今となっては「何たるブラック企業的考え方…」と思いますが笑。当時は深夜が故の謎なハイテンションと一体感がとにかく楽しく、学生の頃にしか出来ない時間の過ごし方を謳歌しました。

コロナ禍での卒業式。学位記を抱えて

卒業後は日本銀行に入行。「文学部」と「日銀」のイメージが結び付かず、「何故?」と驚かれることも多いのですが、教育学専攻として世界中の教育行政について勉強する中で、私の関心が辿り着くのはいつも各国の経済情勢だったこと。そして金融機関に勤める父の姿をずっと見て来たこと等から、自然といえば自然な流れだったのかもしれません。入行1年目は日本橋の本店で、金融システムの安定に関する企画を行う部署に配属され、新しい金融制度面の動向に関する調査等を未熟ながら行っていました。そして総合職は入行2年目になると地域の産業・景気動向の調査を行うため、約1年間、全国各地の支店に配属されるのですが、私の配属先こそ!高知支店だったのです!!!現在は高知の生産、物価、設備投資、雇用等の産業調査を担当しており、毎月公表している「高知県金融経済概況」や、四半期に1度公表している「日銀短観」の作成に携わっています。仕事では自らの力量不足に直面し、悔しい思いをすることの方が断然多いですが、毎日先輩方に鍛えられながら奮闘しています。早く一人前の中央銀行員となれる様、今後も精進して行きたいと思います。

 

そんな私ですが、もうすっかり高知の大ファンになってしまいました。美味しい食やお酒はもちろん、心が洗われる壮大な自然や、土佐人の元来の芯の強さを物語る歴史、そして何よりフレンドリーで温かい県民性。産業調査の一環で企業様にヒアリングさせて頂くことも多いのですが、コロナ禍にも関わらず快く対応して下さり、また様々な観点から高知の魅力を伝えて頂く度に、大変ありがたく、胸が一杯になります。(特に「飲酒への支出額ランキング全国1位」といった一面が何とも言えず好きです…笑。コロナ禍でなければ、高知のおきゃく文化をもっと楽しめたのかもしれないと思うと、大変残念です…。)

感動した栢島の景色

大学在学中のみならず、卒業後もこうして三田会を通して人との繋がりが生まれていくことが非常に嬉しいです。

次は高知市教育委員、また高知大学教育学部客員教授でいらっしゃいます、谷智子様にバトンをお繋ぎしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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