濵口静代(はまぐちしずよ)さん(1998年文卒)

国際女性教員組織Delta Kappa Gamma Society International(略称DKG)日本支部に所属しているご縁で、北原初枝先輩からバトンを頂戴しました、濵口静代です。土佐三田会には、二年前の新年会に初めて参加させていただきました。世代を超えて様々な経歴を持つ皆様との交流はとても楽しく、三田会の絆を感じることができました。
 
 私は高知市の出身です。海が近い地元の小学校を卒業後、お山の上の土佐塾中高等学校に進学しました。中高時代は天文部に所属し、下界に広がる高知の街の光と天上の星をよく眺めました。といっても、星を見ながら仲間とお喋りをするのが何よりも楽しいわけで、星座はろくに覚えておらず、お恥ずかしい限りです。天体望遠鏡で観る、オリオン大星雲やプレアデス星団の輝き、土星の環や木星のマーブル模様……。望遠鏡から目を離すと一点の小さな光にしか過ぎない物の圧倒的な存在。息を吞むほどの美しさに、寒さを忘れて感動しました。

平成6年4月、慶応義塾大学文学部国文学科へ進学し、大学生活が始まりました。一年目に過ごした日吉キャンパスは銀杏並木の坂道が印象的で、その横に佇む図書館で過ごす時間が好きでした。一年目は語学と一般教養ということで、色々な授業を受けました。
二葉亭四迷の人生や言文一致について学んだ日本近代文学史。仮面・まれびと・祭りの魅力を知った民俗学。大学で初めて学ぶフランス語は、発音の難しさに四苦八苦。語学の単位を落とすと、即、留年決定なので、毎回のテストは戦々恐々。フランス語の先生が担任だったので、落第ギリギリの所で何とか救っていただきました。
 国文学科の伝統行事である万葉旅行では、万葉の歴史を感じる山辺の道を先生方や仲間と歩き、夜はお酒を飲みながら大いに笑いました。多趣味でおっとりした関場先生のゼミは居心地が良く、フレンドリーな雰囲気の中で学生生活を送りました。

 大学卒業後は、神奈川県の藤沢でしばらくの間過ごし、湘南の海、長谷・鎌倉の名刹、箱根の温泉など、好きな場所がたくさんできました。平成21年に高知に戻り、母校の土佐塾中高等学校で12年の教師生活を送った後、現在は高知市の小学校に努めています。


 土佐塾での教員生活は私の核となる素晴らしい時間となりました。教育の在り方が大きく変わる中で、一番大きい変化が起こっているだろう小学校を見てみたいと思い始め、昨年の4月から小学校での教員生活をスタートさせました。まだまだ慣れない、分からないことが多い毎日ですが、可愛らしい子どもたちから元気をもらっています。中学・高校との違いを見つめながら、楽しみながら、これからも日々子どもたちと一緒に頑張っていきたいと思います。

 次は、私を土佐三田会に誘ってくれた、土佐塾中・高の同級生でもある松﨑崇さんにバトンを繋ぎます。

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